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丘のうえから

すくよか 開設10年を迎えて

平成29年1月30日

 10年目を迎えたすくよかでは、1歳から72歳という幅広い年齢層の方々に「医療と福祉の融合」をコンセプトに支援を提供しています。きた棟は行動障がいなどの特別な支援が必要な人たちを、みなみ棟は医療ケアが常時必要な人たちを、それぞれ中心に、生活に即した支援を提供し、健やかな心身の成長発達を支援する施設を目指して運営しています。10年の流れの中で、これまでも施設運営に関する施策の見直しがありましたが、最近「重症心身障害児者施設における児者一体運用の特例措置」について、即ち「療養介護における重症心身障害者の療育活動についての質の向上」がクローズアップされています。すくよかでも、重度高齢化に伴う様態の変化に対応するために、ハード面の整備として設備改善を計画し着手していますが、その一方で、その人らしくいきいきと生きることができるように、福祉・医療・教育の専門的なサービスを総合的に提供することを基本方針に据え日中活動の充実に取り組んできました。音楽療法担当者によるプログラム提供、きた棟では療育棟を中心にTEACCHモデルを活用した自立活動を、みなみ棟ではレクリエーションやリハビリテーションを通じたリラクゼーションの増進・QOLの向上、といった取り組みを実施してきましたが、今後一層の充実、質の向上に努めます。

すくよか


終末期を考える

平成29年1月23日

 「かんなびのさと」は、金剛コロニー利用者の高齢化に対応するため整備した、「知的障がい者に配慮した」特別養護老人ホームです。

 入所施設で長く生活して来られた利用者のほとんどは、結婚・出産をしてこられず、血縁者は親から兄弟姉妹へ、更に、甥姪の代に変わっている方も増えてきています。

 そんな中で、人生の最期をどう迎えるかを考えることと、ご家族はどういった最期を思い描いておられるのかを知っておくことが大切なことから、平成27年より『終末期を考える会』を開いています。

 利用者本人の思いを確かめることが最優先であることは十分認識していますが、障がいゆえに自分の死と客観的に向き合い、希望を言語化することは困難な現実があります。『終末期を考える会』は、ご家族の死生観や思いを直接聴かせていただく貴重な機会となっています。

 血縁者も高齢で遠方に住まわれている場合など、利用者がお亡くなりになったときに、職員が死亡確認からご葬儀まで関わることもあります。長く暮らしてきた甘南備の地で送ってあげて欲しいと、ご家族が希望されることも多くあります。棺の中で、花に囲まれた安らかなお顔を拝見する時、「お疲れ様でした」「私たちはあなたの気持ちに寄り添えていましたか?」と自問を繰り返します。

かんなびのさと


自立、新たなる始動の年

平成29年1月10日

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 本年は、当事業団にとって「自立民営化元年」となります。金剛コロニー再編整備を軸とした事業団改革、利用者の地域移行、施設整備も大詰めを迎え、十数年間の道のりを思い出すと地域生活に移行された利用者の笑顔、新たな地で施設を立ち上げる職員の必死な表情が次々と浮かんできます。これだけの大改革を、よくぞ成し遂げてきたなと自画自賛する今日この頃です。

 さて、当事業団は、子どもから大人、高齢者に至るまで障がいのある方のライフステージに応じた支援を提供するトータル事業を展開しています。経営のことを考えると、採算性の良くない事業もありますが、自分がどんな状態にある時も支援を受けることができる安心感を利用者の皆様に感じていただけることが、結果的には、より多くの方にサービスを利用していただけることにつながり、引いては安定した経営につながるのではないかと感じています。

 利用者ニーズを中心に据えて、全てのことについて、自分たちで、責任を持って判断し経営する。新たなる年の開幕です。

 

※金剛コロニー再編整備の概要については、本年1月1日発行の当事業団機関紙かんなび第162号をご覧ください。

経理課