丘のうえから
2025年問題
平成27年10月26日
特別養護老人ホームで生活する入居者のうち、知的障がい者が98%を占める。そんな老人福祉施設を当法人は運営しています。老人福祉の分野では「2025年問題」が取りざたされています。今年2015年「第一次ベビーブーム世代(団塊の世代)」が前期高齢者(65~74 歳)に達しました。そして、後期高齢(75歳)を迎えるのが2025年です。この時不足する介護人材は38万人と言われています。しかし、介護人材不足はすでに始まっている、と日々感じています。ハローワークの他、新聞折り込み・求人雑誌・ウェブ求人サイト等、有料の求人媒体を利用しても電話1本すらない。これが現在直面している現実です。
介護の仕事は、3K「きつい」「汚い(きたない)」「危険(きけん)」とか、さらに他産業の平均賃金と比べて「給料が低い」ことから4Kとも言われます。しかし一方で、介護の仕事の良さをアピールする際に、「ありがとう」と言ってもらえる仕事、ということが言われます。これも本当にその通りだと思います。汚れたおむつを交換した時や入浴でさっぱりした時に発せられる「ありがとう」で、仕事の労が報われる思いがするものです。翻って考えると、そう感じられる感性がこの仕事を選び、続けていくうえに求められるということなのではないか、と思っています。
入居者の生活は毎日続いています。その人らしい生活を続けてもらうため、日々の小さな変化に気を配り、介護の職業病と言われる腰痛とうまく折り合いをつけつつ、利用者中心の介護に今日も取り組んでいます。