ホーム > 丘の上から > 終末期を考える

丘のうえから

終末期を考える

平成29年1月23日

 「かんなびのさと」は、金剛コロニー利用者の高齢化に対応するため整備した、「知的障がい者に配慮した」特別養護老人ホームです。

 入所施設で長く生活して来られた利用者のほとんどは、結婚・出産をしてこられず、血縁者は親から兄弟姉妹へ、更に、甥姪の代に変わっている方も増えてきています。

 そんな中で、人生の最期をどう迎えるかを考えることと、ご家族はどういった最期を思い描いておられるのかを知っておくことが大切なことから、平成27年より『終末期を考える会』を開いています。

 利用者本人の思いを確かめることが最優先であることは十分認識していますが、障がいゆえに自分の死と客観的に向き合い、希望を言語化することは困難な現実があります。『終末期を考える会』は、ご家族の死生観や思いを直接聴かせていただく貴重な機会となっています。

 血縁者も高齢で遠方に住まわれている場合など、利用者がお亡くなりになったときに、職員が死亡確認からご葬儀まで関わることもあります。長く暮らしてきた甘南備の地で送ってあげて欲しいと、ご家族が希望されることも多くあります。棺の中で、花に囲まれた安らかなお顔を拝見する時、「お疲れ様でした」「私たちはあなたの気持ちに寄り添えていましたか?」と自問を繰り返します。

かんなびのさと