丘のうえから
ともに生きる心を育み
平成29年4月3日
今年45回を数える「こんごう福祉センターまつり(旧コロニーまつり)」が開催されますが、毎年お会いする利用者様のお父様がいました。このお父様との出会いは、私が30数年前に児童入所施設で勤務していた時です。施設で長男が穏やかに過ごされるようになった様子を泊りがけでみていただき夜遅くまで進路について話をしたりしました。ある日「卒業後は家で」と決心を告げられ、何かあれば「たのみますよ」と言われました。毎年まつりでお会いすると、いつも「たのみますよ」をおっしゃっていました。
まつりでお会いしなくなりおかしいなと思っていると、お父様がお亡くなりになり、利用者様が再入所されてきました。生活の様子を聞くと、地域生活に向けて地元のグループホームに入居できるよう準備をしているとのことでした。
私たちの取組みは、日々の小さな実践の積み重ねです。でもそれは利用者様の人生に関わらせていただくことです。事業団は、出会いを大切に1800人以上の利用者様の一人ひとりに長きにわたり寄り添うことで、ライフステージに応じた総合支援機能を持つようになりました。これからも利用者様、ご家族、地域の皆様と、ともに悩み喜び、感動を共有し、支援の輪を広げていきたいと思います。
大阪府障害者福祉事業団理事長 久保田 全孝