丘のうえから
大阪INA職業支援センター
平成28年1月12日
大阪INA職業支援センターでは、知的障がいのある方を対象とした、1年間の職業訓練を行っています。訓練の科目はパン・菓子製造科と園芸科の2科目があり、各科15人、あわせて30人の訓練生が、就職を目指して日々訓練に取り組んでいます。もちろん就職するための技術を身につけることが目的ですが、訓練生が長く働き続けることができるよう、周囲とのコミュニケーションの取り方や、仕事の上で起こりうる問題を解決する力を養います。今年度も3月の訓練修了まであと2か月となりました。訓練生の皆さんがそれぞれの進路で活躍できるよう、あと少しですが、訓練生の皆さんと職員が一丸となって頑張ります。
さて、ここ数年、障がいのある方の雇用が大きく進んできました。制度の充実や就労支援機関の努力が結果につながってきたのだと思いますが、企業側も社内にジョブコーチを置いたり、障がいのある従業員の相談窓口を明確にするなど、受け入れる体制を整えてこられました。就労支援の機能が、企業内に備わってきているとも感じられます。就労支援の専門家である私たちとしては、障がいのある方の就労が「あたりまえのこと」になるように、なお一層、専門性を高めていかなければいけないと思うこのごろです。
大阪INA職業支援センター
意思決定のためのわかりやすい情報提供について
平成28年1月4日
2014年の障害者権利条約の批准、2016年4月施行の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」により障がい者に対し、意思決定のためのわかりやすい情報提供が義務付けられました。これらの流れの背景には、2005年施行のイギリスの意思決定能力法などが大きな影響を与えています。イギリスでは、例え意思を口頭で表明できない場合でも、障がい者の様子から意思が読み取れる場合には、意思決定能力があると裁判所が判断します。
わかりやすい情報提供は人としての意思決定に欠かせないものであり、障がいのあるなしに関わらず基本的人権として保障されなければなりません。
わかりやすい情報提供のガイドラインなどが行政や各種団体等で作成され、「情報保障」の取り組みが具体化されています。しかし、まだ、一般的には、漢字やふり仮名が多く読みにくい文章があります。また、わかりやすいイラストや写真ピクトグラムなどを使用することはあまり進んでいません。
当法人では、様々な絵文字やイラスト、写真とわかりやすい言葉を使用し情報を伝達する工夫を行っています。また、既存の施設でのPIC(絵文字)表示を行っており、整備を進めている新しい施設にもPIC表示をする予定です。
知的障がいや発達障がいがある人、高齢者、外国人なども含め、全ての方々のその方に沿った基本的人権の豊かな広がりと、ユニバーサル社会実現のために、当法人の「わかりやすい情報提供」の取り組みが一助となるよう、進めてまいります。
しいのき寮