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丘のうえから

重度利用者の地域移行を目指して

平成30年11月5日

 平成30年1月8日掲載の当コラム「丘のうえから」では、新たに開棟した小学部児童を中心に構成した生活棟について紹介させていただきました。
 今回は、これから地域移行を目指す利用者への取り組みについてご紹介いたします。現在、すぎのき寮D棟には支援学校在籍者10名、既卒者4名の方が利用され、高等部3年生と既卒者の8名の方が新たな移行先についてご本人とご家族、子ども家庭センター、市町村、相談事業所などの関係機関と連携し、カンファレンスを重ねています。
 自閉症、強度行動障がい等の障がい特性のある子どもは、十分に時間をかけて移行先につなげていく必要があります。そのため昨年度まで、高等部3年生になってから始めていたカンファレンスも早期からの取り組みにシフトしました。本人やご家族の意向を踏まえたうえで、早い時期から施設見学を行い、体験利用へと繋げていく等、ご本人を取り巻く環境全体で可能性を模索し、地域移行に向けた取り組みを推し進めながら、すぎのき寮の利用者を理解していただくことから始めました。
 そんな中、これまで4回の体験利用を重ねていた女性利用者が、紆余曲折を経ながらも移行決定の通知を手にされました。「やった!!」という思いと同時に、桜の花が咲く頃、一人でも多くの方が新しい生活の場でスタートできるように取組んでいかねばと思いを新たにしています。

すぎのき寮