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丘のうえから

「街に暮らす」

平成27年6月22日

 

 グループホームが制度化されるにあたり、「グループホームとは、障がいのある方の地域における生活の場のひとつであり、普通の場所で普通の生活をするのが当然という考えにたつものである。すなわち、人としての社会的位置は何ら特別のものではないということである。」と提唱されました。

 地域で障がい者と共生するスウェーデンの実態、日本の現状や先駆的な試みを紹介したビデオ「街に暮らす」が制作発表されてはや20年が過ぎ、この間、グループホームの制度は幾度となく改定され、「街に暮らす」形態も多様化してきました。利用要件にあった“就労していること”の削除、公営住宅の利用あっせん、家賃補助、また、利用者の人権人格を擁護するため、虐待や差別を防止禁止する法律が施行され、利用者の「街に暮らす」は進みました。一方で、消防法などの関係法令の改正により、安全の確保は大切なことですが住居の確保にも苦慮し、事業の停滞が気がかりとなります。また、利用者の高齢化が進む中で、“介護保険サービス優先”と言われる65歳問題により、障がいのある方の「街に暮らす」が根底から覆ってしまうかも知れません。

 この制度の歴史はまだまだ短いですが、変化の大きな歴史でもあります。今後も、さらに変化していくかも知れません。今、改めて「街に暮らす」を支援することを考えてみて、“普通の場所で普通の生活”を支えることが事の始まりであり、考え方の原点であったことを確認しました。