丘のうえから
「変わらないもの」
平成27年6月29日
今、コロニーでは、新しい施設建設のため毎日重機の音が響き渡っています。診療所跡では新施設の建築工事が、長年利用者の日中活動の場として活躍してきた授産所(セルプ)は撤去工事が、この間の構想を一気に進めるかの様なスピードで日々その姿を変えています。
私が入職した33年前は、名前は知らないけれど、「おはようー」「行ってらっしゃい」「お帰りー」「げんきー」といった挨拶が、道行く利用者から賑やかなくらい聞かれ,人と人の触れ合いがあちらこちらでありました。多くの利用者は地域に生活の場を変え、今では利用者の往来もめっきり少なくなり、その声もあまり聞かれず目に映る利用者やコロニーの風情は日々変化しています。
でも、変わらないものもあるのではないでしょうか。それは、この47年間に支援に携わった3,000人以上の先輩職員が、そして、今、直接支援に携わる約1,500人の職員の思いである「ともに生きる心を育み、ともに歩む社会の実現」理念そのものではないかと思います。
理念は平成20年に制定されたものですが、47年前も、33年前も、そして現在も表現こそ違えど、「ともに生きる」この思いは変わらず引き継がれてきたのではないでしょうか。
私たちが、共感を持ってともに歩み、支えあい、人としてつながる力を育むことが福祉の原点・基底であるあると考え、その“心”をもって歩んでいきます。誰もが自分らしく誇りを持って生きていくことができるよう、それを支えるユニバーサルな社会への改革に取り組む、その志をもってこれからも一緒に歩いていくことを宣言します。(平成20年理念制定時宣言の一部を抜粋)この宣言の意味を今一度考え、日々の業務を遂行していくことを改めて私は宣言します。読者の皆様も“ともに生きる”とは“福祉”とは、その“心”とは、何なのかを改めて考える機会持ってみるのはいかがでしょうか。