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丘のうえから

INAの社会見学

平成28年7月4日

  大阪INA職業支援センターでは、 6月24日に社会見学を行いました。この行事は、当センターの訓練生が、日ごろ職業訓練で学んでいる科目に関連した、工場やお店を見学する行事です。30人の訓練生が、パン・菓子製造科は「京都銘菓生八つ橋製造工場コース」「神戸老舗のパン屋コース」、園芸科は「京都の植物園コース」「神戸のハーブ園コース」の4つの班に分かれて訪問しました。

  見学当日までに各班で何度も話し合いを持ち、「訪問の目的(どのようなことを学びに行くのか)」、「交通経路」、「班行動のルール」といったことを決めていきます。なかなか話し合いがうまくいかない班もありますが、少しずつ班としてまとまり、全行程が決まるころには、みなさんからワクワク感が感じられるようになります。

  実際に見学へ行ってみると、訓練生のみなさんからは「仕事に対してすごく真剣で作業の速さがすごかった」、「花の管理作業ではすごく集中していてていねいだった」「あいさつをした時のお店の人の笑顔がとても素敵だった」、「プロの腕前はすごかった」といった感想が聞かれました。

  私たちは、日々センターの中で職業訓練を積んでいますが、やはり本当の会社や仕事を目にすることや体験することはとても大切です。今回訓練生のみなさんが感じたこと、思ったことを大切に受け止め、一人ひとりが目指す職業人になれるよう、改めて明日からの職業訓練に一緒に取り組んでいきたいと思います。

大阪INA職業支援センター

(障がい者職業能力開発施設)


すぎのき寮の現場からの報告

平成28年6月20日

 

 すぎのき寮の児童寮の様子をお伝えします。多くの方が自閉症と診断されており、精神疾患を抱えている方もいらっしゃいます。職員は、一人ひとりの障がい特性や個性に合わせた生活支援に取り組んでいます。スケジュールシステムを活用した支援も、その一例です。

 

 

1①【カードを受け取る】

   次の日課に移っていただくための合図となるもので、トランジッションカード

  といいます。

 

 

 

2②【所定のボックスに、トランジッションカードを入れ、スケジュールをチェックする】

 

 

 

 

 

3③【スケジュールカードを上から1枚手に取り、その写真に示された日課に移る】

 

 

 

 

 

 このように、さまざまなバリエーションの考えられる言葉かけではなく、誰が渡しても同じカードを合図とすることで、【支援の統一】が図られ、混乱を防げます。また、“自分で”スケジュールを確認し、次の日課に移っていただくことで、より【自立した】生活を営んでいただけるという仕組みです。あらかじめ予定をお伝えすることで、生活に見通しを持っていただくこともできます。この他にも、さまざまな【視覚的】な支援が、すぎのき寮では実施されています。いかに安全で安心な生活を提供し、その質を向上させていけるか。学び、考え、話し合い、利用者の方々に寄り添いながら、職員一同、支援に邁進する日々です。

すぎのき寮


いのりの塔祈念式典によせて

 

                                                            平成28年6月6日

 「いのりの塔」は、当事業団の利用者や職員でお亡くなりになられた方々を追悼するために、昭和49年に建立されたものです。毎年コロニーまつりの時期に、祈念式典を挙行し、この度、第43回を迎えました。金剛コロニーは再編整備が進み、旧施設の閉鎖と新施設の開所が交錯し、風景もずいぶん様変わりしました。この間、措置制度から利用契約制度に変わり、障害者総合支援法の施行、社会福祉法の改正等々、福祉を取り巻く環境も大きく変わりました。世の中の変化に応じて、自ら変化する必要性を感じつつ、変わらず持ち続けたい思いもあります。施設でお亡くなりになられた利用者の方の人生を想うとき、望む人生を歩めたのだろうかと、いつも考えさせられます。私たちの一瞬一瞬の振る舞いが、利用者の人生に大きく影響すること、このことは変わることはありません。お亡くなりになられた方々に、「よかった」と言っていただけるよう、より良い環境づくりに、これまで以上に邁進したいと決意しました。

                                                                  総務課