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丘のうえから

変化への対応

平成28年3月31日

 すくよかは4月で10年目を迎えますが、この間、利用者の様態もずいぶん変化してきました。行動上の課題がある人たちが利用する「きた棟」も、開所当初はごく一部の方を除いて活動的な人たちが多かったのですが、移動や移乗に困難をきたす方が増えてきました。「みなみ棟」の利用者の中には、嚥下や歩行の機能低下が著しい方もおられ、新たに気管切開術や胃瘻増設術を受けられた方もおられます。予想以上に早いペースで変化が起こっているような気がしています。また、入所やショートステイの利用相談は、幼児や重症の方の相談が増えてきました。

 こういった状況から益々医療施設としての機能を充実させていく必要があると同時に、安心して介護を受けて頂けるようにハード面を整えていくことが急務になってきています。そのため今年度は、10年先を見据えて、現場のスタッフと協議を重ね改修計画を立ててきましたが、嬉しいことに28年度から着工が可能な見通しです。

 それに加え必要なことは、支援技術・看護力の向上です。すくよかのような医療が提供できる施設は全国的に限られますので、問い合わせは遠い他府県からも入ってきます。それだけに自分たちの役割を自覚し、もっとよい施設にしたいとの思いで、10年目のスタートを切りたいと思います。

すくよか


地域生活総合支援センターおんど

平成28年3月31日

 地域生活総合支援センターとして平成21年4月1日に開所しました「おんど」です。この4月で8年目を迎えますが、「おんど」の敷地周辺は周回道路になっており暑い時も寒い時も朝な夕なに、お散歩、ジョギング、様々な種類の犬を連れた方々と多くのご近所の皆様が「おんど」の前を通過されています。

  最近開設された、保育園のお子さん達の姿も見受けられるようになりました。もちろん「おんど」の利用者の皆様もお昼休みや休日、暑さの厳しい夏は日が落ちてから一周約600mを歩いておられます。

 4月からは短期入所の定員が10人となり、また、新たなご利用者様との出会いが待って ます。地域の皆様のご期待に添える事業所として職員一同取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いします。

地域生活総合支援センターおんど


「障害者雇用促進法」改正に想う

平成28年3月28日

 私が障がい者の就労支援に携わったのは、平成元年にグループホームが制度化され、入居者の要件に「就労していること」が条件とされたことに始まりました。当時、私自身に「雇用施策における障がい者対策」についての情報を集める術も資質もなく、金剛コロニーで生活する利用者の「街で暮らしたい」との想いを実現する為に、とにかく近隣の会社等に「在籍」させることだけを目的として支援していました。今にして思えば、その方の「労働者としての権利を守る」といった視点が皆無だったと深く反省するところです。

 時は流れ、当法人では平成17年度より地域における障がい者雇用推進の要である「障害者就業・生活支援センター」を受託運営しています。現在センターには600人を超える方が登録されており、ケアマネジメント手法による就労支援を行っています。今般、「障害者権利条約」批准の法的整備として、平成28年4月に「障害者差別解消法」が施行されますが、並行して雇用の分野でも「障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)」の改正によって、民間企業においても「合理的配慮」が法的義務となりました。それまで同法においては、ことの是非は別として「雇用率制度」を基軸とし、障がい者は「保護雇用の対象」と位置付けられてきました。しかし、今般の改正により労働者である障がい者は「権利の主体者」としての地位が法的に確立されたことになります。我々支援者はこの制度改正による革命的発想の転換について深く理解し、改めて利用者の自己実現への想いに真摯に向き合い、寄り添い、日々の支援活動に取り組みたいと思います。

地域生活総合支援センターきらら