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丘のうえから

「街に暮らす」

平成27年6月22日

 

 グループホームが制度化されるにあたり、「グループホームとは、障がいのある方の地域における生活の場のひとつであり、普通の場所で普通の生活をするのが当然という考えにたつものである。すなわち、人としての社会的位置は何ら特別のものではないということである。」と提唱されました。

 地域で障がい者と共生するスウェーデンの実態、日本の現状や先駆的な試みを紹介したビデオ「街に暮らす」が制作発表されてはや20年が過ぎ、この間、グループホームの制度は幾度となく改定され、「街に暮らす」形態も多様化してきました。利用要件にあった“就労していること”の削除、公営住宅の利用あっせん、家賃補助、また、利用者の人権人格を擁護するため、虐待や差別を防止禁止する法律が施行され、利用者の「街に暮らす」は進みました。一方で、消防法などの関係法令の改正により、安全の確保は大切なことですが住居の確保にも苦慮し、事業の停滞が気がかりとなります。また、利用者の高齢化が進む中で、“介護保険サービス優先”と言われる65歳問題により、障がいのある方の「街に暮らす」が根底から覆ってしまうかも知れません。

 この制度の歴史はまだまだ短いですが、変化の大きな歴史でもあります。今後も、さらに変化していくかも知れません。今、改めて「街に暮らす」を支援することを考えてみて、“普通の場所で普通の生活”を支えることが事の始まりであり、考え方の原点であったことを確認しました。


「ともに生きる」

平成27年6月15日

 6月6日(土)には、第43こんごう福祉センターまつり(コロニーまつり)が、開催されました。昨年度までは、広い敷地のセルプエリア等で実施してきましたが、今年は、こんごう福祉センターの再編工事のため、総合管理棟前のレンガ広場での実施となりました。

 このレンガ広場は、長い年月多くの人の憩いの場、集いの場として利用され、何ともいえない癒しの自然空間でもありました。

 古くから利用者の散歩と休息に、職員や家族が小さいお子さんを連れての散歩に、売店で買った缶コーヒーを片手に腰掛けて暫しの意見交換に、見学者への屋外での概要説明に、新規採用職員や定年退職職員の記念撮影などなど。

 初回からの数年は、コロニーまつりがこの広場で行われていたことを思い出し、とても懐かしい思いと40年の時を感じずにはいられませんでした。

 グループホーム等を利用し地域で生活されている利用者や家族との嬉しい再会が次々とありました。以前より明るく元気になっている人、加齢のためか静かに微笑んでいる人、言葉は少ないけど傍に来てくれる人、相変わらずその人らしい人など。出会った当時には、支援する側、される側の関係が、今は、私にも彼らにも古くからの知人、友人の存在としてあることを実感しました。

 1981年の国際障害者年から34年、グループホームが制度化されてから26年、そのテーマ「ともに生きる社会」を創っていこうという目標が、富田林市を始め、府内の各地域で少しずつ現実のものになっていることを感じます。


「ボランティアの力」

平成27年6月8日

 もみのき寮は古くから大学生のボランテイアサークルとご縁が深く、毎年100名前後の学生ボランティアが利用者と交流するために来所されます。直近では6月6日のこんごう福祉センターまつりに参加してくださり、この日ばかりはボランティアの学生さんを独り占めにして、買い物や飲食を楽しみ、まつりの満足度が百倍増えたかのような笑顔を見せておられました。

 また秋まつりなどの行事では、ボランティアの学生さんが企画し出演するスタンツや人間ボウリングなど、見ていて愉快なゲーム等を、学生さんと一緒に手取り足取り歌ったり踊ったりすると、普段に無い雰囲気で気持ちも若返るようです。

 事業所としては施設内に第三者が入ることで身の引き締まる思いで襟を正す機会となります。またボランティアの学生さんには事前に障がい特性を理解いただき、適切な対応をお願いすることや福祉制度などについてもお話する学習会を企画して、啓発活動にも取り組んできました。ボランテイアの皆さんのご意見を伺いながら、将来、職員として就職したいと思っていただける魅力的な施設にしたいと考えています。