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丘のうえから

在りし日の職員を思いながら

平成27年8月17日

 先月、当事業所の優秀な支援員を亡くしました。前日まで勤務していたのに…。当日朝の突然の電話はご家族からでした。取り急ぎ病院に駆け付けましたが、集中治療中のため会えず、その日の二回目の連絡が訃報となりました。お昼過ぎまでのあっという間の出来事でした。今は静かに心よりご冥福をお祈り致します。

 何よりも日頃支援されていた利用者の反応がとても大きかったことから彼の実直な仕事ぶりが窺えます。人は、居なくなってからの方が、その人の存在の大きさや価値がわかるものだと思います。人事異動や配置転換でも、後任者には、前任者の仕事観や在任中に注力したところが散見できます。我々も後世に立派な足跡を残すための努力を怠らないようにしなければと思います。それができるのは、現役だけなのですから。

 そのためにも、いつまでも立ち止まっているわけにはいきません。今は事業所として、新しい一歩を踏み出す時です。まずは、この原稿を投稿すると、彼が残してくれたものを大切にしつつ、あの日のままになっている支援室の歩行訓練担当の彼の写真をしまおうと思います。


「余暇活動を応援します」

平成27年8月10日

 大阪府立稲スポーツセンターは、障がいのある方のスポーツ及びレクリエーション活動を支援し、社会参加の促進を図ることを目的に、平成8年に大阪府箕面市に大阪府が設置し当事業団が運営を受託し今日に至っています。

 皆さんは、「充実した日常生活が送れていますか?」と問われると、どのように答えられますか。人それぞれに生活パターンや生活リズムに違いはあるでしょうが、障がいの有無にかかわらず、充実した日常生活を送るにあたって、趣味や生きがいをもった生活を送ることが大切ではないかと考えます。

 稲スポーツセンターでは、趣味や生きがいづくり、余暇活動を支援するプログラムとして、主に土曜日、日曜日に20種類を超える教室やスポーツ練習会をはじめ、スポーツ大会、コンサートなどを実施しています。たまにはのんびり過ごす休息日も必要ですが、「共通の趣味を持った仲間との交流」「身体機能の維持、体力の増進」「スポーツのスキルアップ」「リハビリテーションとしてのスポーツ」など、余暇活動の場として稲スポーツセンターをご活用いただければと思います。初心者の方にも安心してご参加いただけるプログラムを用意しております。

 稲スポーツセンターは、余暇活動が日常生活の一部として定着し、QOLの向上が図れるよう応援します。

 

 


歴史を刻む

平成27年8月3日

 私が所属している事業所には、金剛コロニー開所以来生活されている利用者がおられます。寮唯一の大正生まれのAさんもその一人です。寄る年波もあり、日中もうつらうつらされることはありますが、まだまだ元気でいらっしゃいます。この前もうなぎを食べに行かれました。以前は帰宅するのが楽しみだったBさん、最近は家に帰ってもすぐにコロニーに帰りたいと訴えられるそうです。コロニーが我が家になってしまったとおとうさんがつぶやかれました。他にも、わが子にとってはコロニーが人生のすべてですと言われたご家族もおられます。

 金剛コロニー開所以来45年の歳月がたちました。ここには多くの利用者の人生や生き様が詰まっています。

 その利用者の人生を共に歩ませてもらっていることに今は感謝しています。利用者あっての職員、利用者あっての施設です。

 新しく出来る施設においても新たな歴史が刻まれます。利用者にとって新しい我が家になるよう期待しています。